JR四国の観光列車などをデザインしてきた同社のものがたり列車推進室長、松岡哲也さん(56)の講演会が11日、高松市であり、松岡さんが同社の観光列車のデザインのヒントにした本などを紹介した。
松岡さんは、同社の観光列車や特急用の車両などをデザインしてきた社員デザイナーとして知られる。この日は、ファンら25人を前に、ヒントにした本や欧州視察で見た現地の列車の写真、アニメキャラの模型などを示しながら話した。
徳島・香川県の土讃線を走る「四国まんなか千年ものがたり」は日本の古民家がコンセプトで、徳島県・祖谷地方の古民家を世界に紹介した東洋文化研究家アレックス・カーさんの著作や画家山口晃さんの画集などを参考に室内をデザインしたという。
また、高知県の土讃線を走る「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」には高知の「おきゃく文化」を体験できる車両がある。松岡さんは、アニメ「超時空要塞(ようさい)マクロス」に登場する、戦闘機からロボットに変身するキャラクターをヒントに、車内のテーブルを転換できるようデザインしたと語った。
松岡さんは「思わぬところでヒントを得て、デザインしたことも多い。日本のデザインを面白く見せ、海外の観光客に楽しんでいただければ」と話した。
神戸市から訪れた男性会社員(22)は「観光列車によく乗りますが、デザインの奥深さがわかりました」と話していた。
講演会は12日も開かれるが、すでに満席という。